ん~認知症になった母のお金はどうするのが良いのか?
母が《要介護1》に認定され、これから介護保険を使った介護サービスのお世話になるにあたって、
兄がいろいろ考えたようだ。
不信感に…
昨日、母と同居してる兄が免許証の更新で留守する間、私が母の様子見にマンションへ行くと…
母がおもむろに封筒(現金)を出して来て
母「コレ…、コレ…。男の人から聞いたんでしょ?」
私「何?どうしたの?」
「コレ…これ…」
「このお金はどうしたの?」数えると67万円ある。
「銀行に勤めてた人が…、お金は自分でする方が良いから…、銀行に一緒に行ってお金を下ろして来た。」
「私…少ないの。その男の人がお金を持って行った。」
「怖いな~怖いねん~本当の人じゃないねん。」
「お兄ちゃんだよ。お母さんの息子の○○(名前)だよ。」
「お兄ちゃんじゃないねん、コレだけでは足らんねん、私の事、騙したみたい…」
「あんたには絶対言ったらアカンって言うねん、お金隠された。ホントは私の持っとかなければイケないお金なのに…。
いつも優しいって言う人が持つ方が良いのか、もう一人の方が良いのか、3人いるねん。」
「お兄ちゃんは一人だよ~」
「違うねん、あんたは知らんだけで、3人いてるねん!」
……(母の頭はパニック!?)
「あ~良かった、あなたが来てくれて、私のお金なのよ…いくらあった?」
「67万円ね。」
「それだけあった? 入ってる?」
「お兄ちゃんが渡してくれたの?」
「当然やん、私のお金なのよ! けど、もっとあったのにあの人が後全部を取った。」
…ん~よく分からんが、銀行に行って下ろして来たらしいね。
「生活費だよね~使うお金なんだよ。」
「全然使ってへんねん。私のお金やねん…」
「そうだね~お母さんのお金だよ~」
「隠しとかんな取られるから、怖いねん。どこに置いたらいい?」
「隠さなくても誰も取らないよ? 大丈夫だよ。」
と言っても不安は増すばかり…
昨日は枕の下に封筒を入れて寝たらしい。けど、不安で不安で寝れなかった…と訴える母。
「タンスの中に入れたら?」と言うと
「あんなところ誰でも開けられるからダメ。すぐ無くなるわ」
「誰も開けないよ~」と言っても母の不安は治まらず…
「服に縫い付けてくれる!?」とシャツをめくる母。
…(不安感スゴイ…)
そして、どうやらベッド周りに置きたいようなので、ベッドのマットレスをめくって、マットレスの下に封筒を隠すことにして、何度も母に確認させた。
…マットレスを持ち上げて、見て、喜ぶ母。
しばらくすると「ある?」と聞くので、また持ち上げて見せる。
「良かったわ~あなたが来てくれて…」
…ヤバいわ~!
ますますヤバい認知症の沼に落ちていった母の姿。
そうこうしているうちに、お昼の時間になったので(気分を変えて!)
私「お腹空いたわ~! なんか食べに行こう。兄ちゃん居ないし2人だけでご馳走食べようよ♪」と明るく母に言うと…
いつもは「嫌~行きたくない~」と言う母が珍しく、「そうね~」とその気になり…
ホント珍しく、2人での外食となりました。
母のお金の事
外食から戻ると、兄が免許の更新から戻って来たので、↑の訳を教えてくれました。
今の母のお金
- 母の住居費や生活費の全ては、兄払い。
- 母がたまに好きなモノを買うクレジットカード払いのみが、母の年金の口座から引かれている。
- 母が持ち歩くお財布の中には兄が現金を補充している。
が…これから掛かる母の介護費用については、出来れば母の貯金で賄いたい。
(足りなくなれば、兄が出す。)
けど母の認知症が進めば口座が凍結され、引き出すことが出来なくなってしまうらしい。
(生きている間は、年金が溜まっていくだけの口座になる)
後見人制度などなど…は面倒臭いし、お金がかかる。
- 母の口座を家族の兄が引き出せる代理人カード(家族カード)を作る
- 定期預金を解約
- 無駄な口座を解約
今のうちに出来る事を、母に説明した上で一緒に銀行に行って、実行したらしい。
(もう母が自分の名前を書けるギリギリのタイミング)
そして、母のお金の動きを記録するためのノートを1冊作ったと見せてくれた。
通帳のコピーを貼り付け、こうこうこうしたとお金の動きを書き込み、
母に説明した証拠の日付と兄と母のサインが入れられてあった。
(そして、私も見たというサインをした)
それと、下ろして来た現金の束を見せてくれた。
紙袋からドンと帯が付いた新札渋沢栄一が何百人も…
(兄名義の口座に入金すると贈与税がかかるので、現金で持っておくか、母名義のネット口座に移すか…考え中)
兄「母が「私も欲しい」って言うもんで、ハンパの金額を封筒に入れて母に渡した。」
んだそうだ…
(ハンパと言うにはデカすぎる金額だけど…!?)
ほぉぉぉぉ~
正直、私に意見はない。(良いな~そのハンパ…)
母の介護についても生活費についても、私は1円も払ってないし、
私が母の為に使ったちょっとしたお金(母との食事代、母の為の買い物)だって、後でしっかり兄に請求してる私だもの…
私の兄に対する信頼度は抜群で丸っと兄にお任せよ!
それを一緒に横で、「そうなのよ~」とニコニコ聞いてる母。
おいおい! と突っ込みたくなるわ!
密談
私がマンションを出た後、しばらくして兄も出て来て、外で2人で密談した。
兄「俺への不信感が増してるのはヤバい気がする。息子だとも信じてくれないし、俺が一人だとも思えないみたいで、否定すると噓ついていると思われるし、肯定すると自分がしんどい…
自分の家とも思ってない所で誰とも分からない男と暮らしてるってのは母にとっても気が休まらないだろう…
限界…ってのは思ったより早く来るかも知れないな~」
ふと、こんな事も考えた。と兄が話す。
- 俺がマンションを出て、お前がマンションで母と同居する。
(兄は忘れたけど、娘の私の事はまだ覚えてる) - このマンションとお前の一戸建てを交換する。
(今私の住んでる家は元々は母の家だったから…住んでた記憶がある。) - 早いこと、母を施設に入れる。
けど、私の事を忘れるのもそう遠くないだろうし、
覚えてる家だとしても、今の母が生活するには二階建ては危ない。
…施設か~?
と思いつつも、引け目を感じる。
「はぁぁぁぁ~」とため息ついて、
「今日はお前が来てくれて本当に助かった。」と結論の出ない密談を終えた。