いつか家族を忘れる日が来るとは思っていたが、こんな忘れ方するんだ~?
と予想外なうちの母(80代・認知症)。
↑予兆はあったんだけど…
まさかまさか…
私(娘)よりも兄(息子)を忘れる方が先だったとはね~!!
私の兄=母の息子
少し前から、兄からは聞いていた。
どうやら俺は2人いるらしい…
母「もう一人は何処に行ったの?」
「今日は他の人は?」
「昨日は親切な人が夕飯の用意してくれたの。」
母の頭の中では、兄の他に親切な人がもう一人いるらしかった。
そして今日…
俺を産んだ覚えはないらしい…
「えっ? どういう事? でも兄ちゃんの事は「お兄ちゃん」ってお母さん言ってるよね?」
「うん。どうやら俺は「お兄ちゃん」って言う人で、自分の産んだ息子ではないようだ。」
「何故かお前を産んだ事は覚えてる… まさか俺が先に忘れられるとは思わなかったよ~。」
えぇ~!? まさか~?
平然としてる母
母のご機嫌伺いに【和菓子】を持って会いに行った時。
和菓子を食べる為、そそくさと…
棚からお椀を選び取って、冷凍庫の氷入れて、浄水器の水を入れて、テーブルに座る母。
氷水をお椀で飲む母
(手には饅頭)
しかも自分の分だけ…
突っ込み所が多すぎる! が、我慢我慢。
私も自分でコップに水を入れて、一緒にお饅頭を食べた。
話は母の方から切り出された…
母「お兄ちゃん、あなた知ってるでしょ?」
私「知ってるよ、今、部屋に居るよ~お兄ちゃん。」
「あの人の事、私が産んだって言うのよ~」
「産んだやん!」
「産んでないわよ~、お腹痛めた覚えないよ~」
「…私は?」
「あんたは、私が産んだわよ。」
「兄ちゃんは?」
「知らんけど、「私が産んだ」ってお兄ちゃんが言うのよ~」
……あちゃー、完璧に記憶が無くなってる。
「お兄ちゃん」って言うのは、もはや兄の名前?
「「(母を指して)私が産んだ」ってのは本当だよ~!」と母に言うと…
(言い方が悪くて…)
「あなたが産んだの?」と驚いて聞く母。
「違う違う違う! 産んだのはお母さん!」
「私は産んでないわよ~!」
…饅頭を食べ、あっけらかんと話す母。
忘れたという感覚は全くないらしい。
そこで兄がやって来た。
私「私が産んだのは○○(息子・母の孫)で、お兄ちゃんは私の兄妹でお母さんが産んだんだよ。」と言うと、
何を聞き間違えたのか…
「○○って死んだの?」
「生きてる生きてる!!元気元気!」
「私の息子は○○で、お母さんの息子はお兄ちゃんだよ。」
必至に家族を説明する私だが…
母は「何を言ってるのこの子??」って風なご様子。
見かねた兄が「産んだ覚えはなくても、俺は息子だって事だけ覚えててね。」と優しく母に言った。
母は「そう言うなら、そういう事にしといてあげるわ。」と笑ってた。
笑えないわ!
うぅ…泣ける!
なんで、覚えてねぇんだよ!!
(母の一番大事な人なのに~!)
あなた誰?
よく聞く「あなた誰?」って忘れ方じゃないのよね~と不思議。
兄のかもす安心感がそうさせるのか?
「誰?」とはならず、「お兄ちゃん」という親切な人と一緒に住んでいる認識…?
…どういう頭なんだか?
でもそのうち…私には容赦のない「あなた誰?」があるかもな~?