母の理想の家
10年と少し前…
駅前にマンションが建つことになり、そのチラシを見た母が「引っ越したい!」と言い出し、
これから老いていく70代両親の終の棲家を考えました。
それまでは、長年の一戸建て住まい。
家の中の階段(段差)が危ない・近所付き合いが面倒・駅まで遠い・庭が面倒
当時スープの冷めない距離に住んでた私としては、
年老いていく両親に階段のある小さな2階建てはもう危ないかもな~と引っ越しには賛成したが、
今の場所から離れてしまうマンション購入に賛成とは思わなかった。
- 今の家を私と同居できるような大きな家に建て替え
- 近くに売りに出てた広い一軒家を買う
- 近くで売りに出てた広い土地を買い、住みやすい平屋を建てる。
- 父はマンション購入に反対だった。
本当は田舎に帰りたいと思ってる父(畑をして自然と自由に暮らしたい)の事もあり、母を説得しようと色んな【終の棲家】の提案をしましたが…
母の、街中の便利なマンション生活への憧れは揺るがなかった。
最終的にマンションの申し込みを決める際には「あなたは家族じゃないんだから、口出ししないで!」とまで母に言われてしまった。(嫁に行ったら他家の人)
結果、兄がそのマンションを購入。
母の希望の間取り、母の希望の配色、母の希望の設備を完備。
買うと決まってからは、私も設計プラン変更やインテリアなどの購入に協力。
設計変更や家具家電などなどで更に1,000万円越えてビックリ!
終の棲家だから理想を叶えてやりたい…と母の仰せのままに出す孝行息子(兄)。
(あ~こんな息子が欲しい…!)
現在
父は死に…
母が認知症になり、兄が同居している。
その母が、この前…
母「私、何でここに住んでるの? いつから住んでるの?」と私に聞いてきた。
(前に↑こういうことを言ったと兄から聞いていたが、ホントなんだ~よっぽど引っ掛かってるのか?)
私「お母さんが、マンションに住みたいって言って引っ越して来たんだよ。」と言うと…
「私、絶対そんな事言ってないわよ。こんな所住みたくないわ~」
「えっ?」 (マジか~?)
母「お兄ちゃんが、「ここに」って言うから、私が何も分からないうちに決めて…私の荷物持って来て…。」
「お母さんが決めたんだよ。」
「私じゃない!!」
(…おっとアカンアカン、怒らせてはイケない…認知症…くそっ!この贅沢ババぁ!)
「こんな広い所、払うのも大変じゃない~」
「お金はもう払ってるから、大丈夫なんだよ」
「お店近いし、便利で住みやすくて良いでしょ?」と言うと、
「まぁ、便利だとは思うけど、うるさいのヨ。子供たちがワイワイ通ったりするし、車の音もうるさいし…
それに、どうせだったらもっと上のほうが良いのに…何で低い所なの? 」
(高層階は怖いから階段で登れる階が良いとの母の希望だった…)
マジか~?
さらに「あなたは何処に住んでるの?」と聞く母…
私「お母さんが前に住んでた家だよ。」
「前もこんな家(マンション)だったでしょ?」
「前は一戸建てだよ。」
「3階だったでしょ?」
「2階建ての小さい家だよ。」
「あなたが住むから私がココに来ることになったの?」
(…まるで私が追い出したかのように言う!)
「違うよ、お母さんがマンションに引っ越して空いたから、私が引っ越したんだよ。」
「何で引っ越したの?」
「お母さんがマンションが良いって言うから…」
「私は言ってないわよ~!」
おっと~なんでそこだけハッキリクッキリ全否定なんだよ?
なぜそうなった?
どういう記憶(脳ミソ)してんだよ?
認知症、怖わ~!!
ウン千万出して、この言われよう…報われないな~兄。