先日、母のマンションへご機嫌伺いに行くと、まず母の姿を見て驚いた。
(↑表題絵参照)
洒落た薄手のカーディガンを、たすき掛けのように袖と裾を前で無茶苦茶に2か所で結んで、着ていた。
しかも、結びにくかったのか、カーディガンを所々ハサミで切っている。
なぜ?
服が着れない?
私「お母さん、どうしたの? なんでそんな着方してるの?」と驚いて言うと…
母「あら、変?」と平気な顔して、結び目が上手く結べてないかと結び目を触って気にする母。
何でこうなった~?と驚きの顔で、ソファーに座ってる兄の方を向くと、何もかも許すような悟りの笑顔でこっちを見てるだけ。
(おいおい…良いのぉ?)
諦めか、悟りか…仏のような兄である。
すると、服が変なのかと思ったらしい母が、その上にセーターを着ようとしだした。
私が「セーター着るなら、そのカーディガン脱ごうね。」とカーディガンの結び目を解いて脱がせると…
「それもう要らないから、捨てるわ。」
(そりゃ、ハサミで変に切られてて、もう普通に着れる状態ではない…)
そして、セーターを着ようとするが、
セーターの首口に手を入れて肩まで手を出すと、首をどこに入れるのか分からず…あたふた。
「コレ、おかしいわね~ もう捨てるわ。あなた要る?」と言う。
袖を手繰り、母の手を入れさせ、ちゃんと着る事が出来ると、
「この服、変じゃない? ハサミで切ったわよ? 大丈夫なの?」と聞くので、
(ハサミで切られた跡が無いことを確認して…)
「大丈夫だよ。綺麗だよ。鏡見て。」と鏡まで母を連れて行き見せた。
服の前後ろ、表裏…などを間違える事や、ボタンが留めれない時などは多かったが…
徐々に、服の着方自体が分からなくなってきているみたいだ。
要らない服
この時、母が私に「これ、要らない? もう捨てるから、あなたにあげる!」とダウンベストを出して来た。
私「捨てるの? 今から着るのに温かくて良いと思うよ~」
母「着ないわよ!」と断言する母。
「何で? 嫌いになった?」と聞くと。
「これ私のじゃないの。誰かが忘れて行ったヤツなんだけど、取りに来ないからもう捨てるの。」
…えっ? そんな事ある?
「お母さんのじゃないの?」
「違うわよ~私こんなの着ないもの!」
「誰の? お友達?」と聞くと、
「忘れた、知らないけど、誰かが忘れて行ったの。」
「じゃぁ、取りに来るまで置いとかなきゃ~」と言うと、
「私のお友達はみんなお金持ちなんだから、そんな恥ずかしい事しないわ~!」と言う。
そうなのか…?
そして、自分のじゃないので、あなたが要らないならもう捨てる!と言い切る母なので、
私としては、ありがたく…貰ってきました。
内心ラッキー♪と喜んだが…
もし着てる時に、持ち主のお友達に何処かでお会いすることがあったとしたら…と思うと恥ずかしいので、
外で着るのは止めておいた方が良いかも知れない。
(家の中だけで着よう…)
真相
後に兄から…
「これ知らない。私のじゃない。」と最近服を捨てたがる。
(否定すると怒るので「はいはい」と捨てている。)
その反面「私の服がない! 誰かが取って行った!」と言い出す事もあって困る。
こういう事か…認知症。
↑のダウンもきっと母の物なんだろう。
(私の記憶に薄いけど、そういえば母が着てたような気もするようなしないような…?)
そのうち「すえ(私)に取られた!」と言い出すのかもな~(ウンザリ)
【お友達の忘れ物】なんていうシチュエーションを想像して信じてしまった私のバカ!
母のもっともらしい《作り話》は、今に始まった事ではないのに…
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↑3年前、認知症の兆し…(2021年10月)