少し前の話…
母(80歳)から、ヘルプの要請があったんです。
不安がる母
最近ますます【モノの名前】が出てこなくなり、忘れっぽくなった母からの電話。
母「明日、ほらあれ、あの…、私のお金を持ってる人が来るって言うのよ。」
私「(お金を持ってる人)兄ちゃん?」
「違うわよ~。お金いっぱいある所よ。」
「あ~銀行?」
「違うわよ~。銀行じゃなくて…えーっと…」
「郵便局? 信用金庫?」
「それそれ、信用金庫!」
「なんで来るの?」
「わかんないけど、うちに来るって電話があって…
私は「来なくていいです」って言ったんだけど、向こうがどうしても来るって言うのよ~。」
……いったい何しに? 、母に聞いても要領を得ず分からない。
とにかく来るのは決まってる事らしく、
母は独りでは不安だから来てくれと言うし、私もちょっと心配だから…
その時間に行って立ち会うことにした。
信用金庫
約束の時間きっちりに信用金庫さん(いかにも真面目そうな好青年)が一人でやってきた。
母とその信用金庫さんは前からも面識があるようで、明るく挨拶をして、
リビングに通し、話は始まった。
「今回は満期になった定期預金の預け替えって事で、手続きの書類をお持ちしました。」
はぁ?
「それは、母が?」
「はい。お電話でそうお聞きしたので…」
って…、母も当然そうだったかのように話を合わせて、話が進んでいく。
オイオイ…さっきまで「何で来るのかわからな~い!」とほざいてただろうが!?
ま、とりあえず娘として…母の取引き内容を説明して貰いました。
満期になった定期を、率の良い年金受給者向け優遇定期に切り替え。
しかし優遇定期の上限金額を超える金額があるので、残りは普通の定期預金にする。
(いずれも長期ではなく、1年定期。)
ノートパソコンを見せて貰いながら、ちゃんと説明して頂きました。
うんうん、良いんじゃない? 了解っす。
母が、差し出された書類に次々にサインしていく。
通帳は手続きの為に持ち帰り、後日記帳して信用金庫さんがまた持って来てくれるそうで、
その2日後の同じ時間を約束して、信用金庫さんは帰って行きました。
よかったよかった…と、私も安堵して、家に帰った。
また、不安がる母
翌日、兄から連絡があった。
「母が「知らん人に通帳を渡してしまった。大丈夫なんだろうか?」と、
詐欺じゃないかと、すごーく不安がってる。
お前が居たんだから大丈夫!と言ってなだめといたが…」って。
……まぁ、通帳渡すってのは怖い事かも?
(まぁ、私は銀行が家に来てくれるって経験が無いので、知らんけど~)
でも【知らん人】ではなく、前から知ってる馴染みの担当さんって感じに見えたけど~?
(忘れたか?)
母に電話してみた。
「明日、信用金庫さんが通帳を持ってくる時、何だったら私も居てようか?」と聞くと。
「玄関で受け取るだけで上がってもらわないし、あなたは来なくて良いわよ!
もし来なかったら、あなたを呼ぶわよ~。」
(…その時は警察?)
「まぁ、たいした金額入ってないからイイけどね~」とあっけらかんと言う。
おいおい、「イイけど~」って言っていい金額じゃないです!!
不安が突き抜けて、諦めの境地に到達したか?
大丈夫
約束通り、信用金庫さんは通帳を持って来てくれました。
母に電話で聞くと、
「サッと来て、サッと渡して、サッと帰ってったわよ! 当然じゃないの。
あなたは、ちょっと心配し過ぎなのよ~!」と、
まるで私が詐欺を心配したかのような言われようだ。
くそっ! 兄には泣きついたくせに、私には妙に強気な母!
母の記憶力と情緒不安定。
私は母を心配してんだよ~!
(同時に、自分のストレス度も心配ですけど…)