母を車に乗せて、老人ホームへ向かう道中ずっと…
「あ~る~晴れた~昼下がり~♪」が頭の中でずっと流れてた不謹慎な娘っす。
母の理解
↑正式に契約を済ませた後、兄が母に老人ホーム行を話した。
兄「母は悪い様には受け取らず、納得した様子で「分かった。」と言ってたが、どこまで分かってんだかは不明。」
その後、「化粧品とかをカバンに入れて、「これ持って行く、これも…」と言うので、どこかへ行くのは分かるみたい。
朝の玉子焼きまでも「これも持って行く?」って聞かれたよ、「それは食べて」とお願いした。」
どこ行くんだか~?
母も気になってはいるようで…
一緒に居る時に私に「あなたも行くの?」みたいな事を聞いてきて、どう返答しようか迷い、話をそらした。
とりあえず、母の心をざわつかせない様に隠密で準備を進め…
母の留守(デイサービス)の間に母の荷物や家具の大方を、施設に車で何往復もして運び込んだ。
施設の部屋の準備が整い…いざ入居の日。
まるでいつもの外出のような…普通なお出かけ出発だった。
老人ホームに到着
午前11時。
車が着き、老人ホームの玄関を入ると、待ちかねた様に施設の人たちが出迎えてくれました。
(施設長、フロアの介護士さん、ケアマネさん、看護士さん…)
母は、何が何だか…アップアップな様子だけど、皆さんにスイスイ中へと案内されていく。
エレベーターに乗って、母の居住するフロアに到着。
真ん中の食堂では数人の方がテーブルに座って、くつろいでるお喋りタイムで、もうすぐの昼食を待っていた。
介護士さん「このまま食堂でお喋りしてお昼食べますか? 一旦部屋に向かいますか?」と聞かれ、
兄「一旦、コートを脱ぎに部屋に行きます。」と部屋に行った。
私達が家具を入れて、母の好きそうな物達を持ち込んで作った母の部屋を見て…
母「これ、うちの…」
私「そうだよ~、家からいろいろ持って来てるよ~」
「なんで?」
「今日からココがお母さんのお家だよ。」
「なんで? えっ?」
「私。ココで寝るの?」
「そうだよ~。介護士さん達が何でもやってくれるよ。お友達もいっぱい居るよ~。」
…母の表情が明らかに嫌~な顔に…。
そこで救世主の明るい介護士さん登場!
「○○さ~ん。皆さんお待ちかねですよ。食堂に行きましょうね~♪」と食堂へと連れられて行った。
お昼ご飯

この日のお昼ご飯は…
サバの煮物と白和えと煮物小鉢と漬物とオレンジ。
この後お味噌汁が配られた。
それに、適度に温かいおしぼりが気持ち良い♪
皆さんで「いただきます」をした後、食べようとしない母を心配して見てる私に、
お隣の席のおばあさんが「ここのご飯美味しいんですよ。でも娘さんが見てると食べにくいですよ? 大丈夫ですから~」と言って下さったので、
それもそうだ…と介護士さん達に任せて、部屋に戻った。
そこで、私と兄は家で握って来た🍙おにぎりの昼食を食べた。
配慮に感謝
少しして、介護士さん(女性)が部屋に来て、
「お母様、ちゃんとご飯食べられてますよ。」と教えて下さった。
そして…
「初日ですけど今日は昼からお風呂の日なんですよ~。どうされます?」
私「え~。昨日デイサービスでお風呂入ってますし、初日からいきなりはちょっと無理じゃないでしょうかね~?」
兄「お風呂介助は男性がすると聞いているので、母は嫌がると思うし、ちょっと慣れてからの方が…」と話すと
介護士さん「その事は聞いています。○○さんのお風呂は慣れるまでは女性介助が入る様にします。安全の為に男性職員もいますけど、今日は私が付き添わせていただくので、大丈夫だと思いますよ。」
無理だと思ってた事(お風呂での女性介助)への配慮に、とても感謝です。
(施設長さんに話した私達の心配事が伝わってるんだな~と感心した。)
私「有難うございます。でも来ていきなりなので…、母に聞いてもらって良いですか?」
「分かりました。一応、着替えの肌着と靴下をお預かりさせてください。」
って、衣装ケースを開けて、肌着と靴下をお渡しした。
(普段着は夜の寝間着に着替えた時に、洗濯に出すらしい。)
私の縫い付けた靴下の名前に、えらく関心して下さって、
「有難うございます♪ ちゃんと縫って頂いて助かります。
だいたいの持ち主さんは覚えてるんですけど、時々不明なのもあって持ち主探すのが大変なんですよ~
もし洗濯で取れちゃったりした時は、こちらで縫っても構いませんか?」
そんな事までしてくれるのか?
名前が取れたら行方不明で減っていって補充するもんだと思ってただけに…
介護士さんの仕事の丁寧さに、ちょっとビックリ。
「宜しくお願いします」と頭を下げた。
愛あるリモコン
部屋にはテレビを置いたが、リモコンさえも使い方がヤバくなってる母の為に、
兄が特製テレビ用リモコンを作ってました。

一人でも使えるように…
電源とチャンネルだけの簡単リモコン!
それ以外のボタンはプラ板を貼り付け触れない。
(音量はテレビの本体で設定した。)
おーこれはアイデア♪
兄の愛だわ~(他の人に迷惑かけないように…)
不満気
私は母が食事を食べてる間にこそっと帰ろうと思ってたのに…
兄が「母と話をしてから…」って、母をとことん心配する兄。(あだとなる…)
昼食を食べ終えた母が部屋に介護士さんに連れられて戻って来た。
介護士さん「ちゃんと全部しっかり食べられましたよ~」って、
…食べたんだ。胃袋は元気な母。だけど、顔は明らかに不満気!
私「お腹膨れたからお昼寝する? 初めての所で疲れたでしょ~?」
突っ立ってる母…無言。
「…とりあえず座って…」と椅子に座るように勧めた。

ここから母が「困った」を連発!
(母の言葉はおおよその通訳)
母「ムニャムニャ…困るわ~、あの~、ハニャホレ…帰るの?」
兄「お母さんの家は今日からココだよ。」
「なんで?」
「生活が大変になったから、ここなら皆さんに手助けしてもらえるから引っ越したんだよ。」
「…私何するの?」
「歌うたったり、お友達とお喋りしたり…何でも出来るよ。」
「どうして? なんで? 困るわ~どうするの?」
「お金…は?」
「お金の心配は何もいらないよ。大丈夫だよ。」
「あなたは私を置いたら幾ら貰うの?」
「えっ?」
(ドナドナド~ナ~ド~ナ~!?)
「私の~ハレホレヒレハレ…」
まったくもう…どういう理解なんだか?
…文句を言いたいが言えず、ひたすら嫌そうな顔で「困る」を連発する母。
こっちもなかなか「帰る」を言い出せず、困る。
兄が、「ちょっと…」と席を外して部屋を出て行った。
私と2人になった母が…
母「あなたはココに居ないの? 帰るの?」
私「ここはお母さん一人しか泊まれないのよ。また来るから大丈夫だよ。」
「なんで? 私はココ?」
「お兄ちゃんの仕事が忙しくなってきて、お母さんと一緒に居れなくなって来たんだよ。」
「あの人(兄)がそう言ったの?」
「うん。お母さんも大変になるから、ここで楽な生活する方が良いと思ったんだよ。」
「いつまで?」
「ん~わかんないな…」
……
「治ったら来てくれる?」(認知症が治ったらって事?)
「そうだね~」
「死んだら良い?」(何を言う~!?)
「ダメだよ、頑張って楽しく生きなきゃ。」
「もういいわよ。もう…ハニャホレヒレハレ…」
……諦めた…陥落?
しかし、母はまだまだグズグズ不満気に何やら困ってたけど…
兄が明るい介護士さんを連れて戻って来た。
介護士さん「○○さ~ん。どうですか? 何かしましょうか~?」
母の前でひざまずいて、介護士さんが母の注意を引いてくださってる間に…
目くばせして、こそっと、兄と私は部屋を出た。
頑張れ、母、楽しく生きてくれ!(私達の為にも…)
罪悪感
帰りの車の中…
母のあの嫌そうな顔を思うと、さすがに罪悪感にさいなまれた💦
けど…
私「コレで一段落ついたね。仕方ないよ~。兄ちゃんは頑張ったよ~。これからは自分の生活をシッカリね!」
兄「そうだな~。 仕事に戻るか~。でも同じ事やるのは嫌だから、何か違う事を探したい…」
「何でも出来るよ~!(お金持ち) でもお疲れだから、一旦ゆっくりしろよ。」
「そうだな~。とりあえず帰ったらワンコ撫でて、癒してもらおう。」
兄「ところで、次(母の所へ)いつ行ける?」
私「ん~慣れるまでは行かない方が良いんじゃない?」
「来週月曜どうだ?」
「(早い! 早すぎる!) 月曜と火曜は用があるので、せめて水曜で…」
「分かった。じゃ水曜な!」
…優しい兄っす…💦💚