少し前に、母が市販の計算ドリルを買ったと話してた。
ずっと以前は、自治体で開かれている高齢者向け公文式教室に毎週通ってた母ですが、コロナ禍のせいで止めてしまった。
昨日実家に行くと、その計算ドリル本が机の上にあったので…
私「だいぶ進んだ?」と聞いてみると
母「やってない…」と、浮かぬ顔で言う。
「出来ないの~、分からないんだもの~」って。
老いのせい?
中を開いて見て見ると、4ページ(4日目)までで書き込みが終わってる。
そして…
母「割り算て何? わからないの。」って…
私からしたら「エッ?」って衝撃的なお言葉が飛び出てきた。
わからないのか? って驚く。
「なんでなんで? 掛け算の反対だよ?」って軽く言ってみるが、
…そんな問題じゃなく、根本的に全く理解が出来ないというか、
嘘じゃなく本当に全く分からないようだ。
母ってある種の発達障害だったのか? って疑いそうになるけど…
そんなハズない…!
昔は分かってたハズだと思うが、今(80歳)は分からないんだ。
割り算
足し算・引き算は出来てるし、九九もすんなり全部言える母ですが…
問題を見て見ると、一桁の割り算は出来てるが、十の位以上の割り算が出来てない。
4÷2=2 9÷3=3 は大丈夫(刷り込み記憶っぽいが)
12÷4= 15÷5=
50÷5= 66÷6= は答えれない。
なんでこんな簡単な問題が? って思ってしまうけど…
分からないのだから分からない。
母に私が思いつく限りの簡単な解説をしてみたが…
リンゴが12個ありました4人で分けたら…とか、
50円玉を10円玉に両替したら…とか。
あげくに九九を書きだして、
2×5=10 の式を見ながら…
「2が5個あると10だよね、じゃぁ10の中には2が何個ある?」と質問すると、
しばらく考えてから不安そうに「…ないわよ。」と答える母。
…うん、私では無理。
もう母が理解出来ないってのはわかった。
私も算数を教えるプロじゃないし、これ以上分からせようと説明するのは、母には苦痛かもしれないわ。
九九が言えるのは、単に言葉として覚えてるだけかも…?
数としての理解はしてないかもな~と思う。
「割り算って難しいからね~」で話を一旦終わらせた。
脳トレ本
その後、せっかく母がやる気になって自分で購入した本なのに、出来ないのは残念だな~と思って、母の本を検索してみた。
すると、母の買った『脳を鍛える計算60日②』には割り算があるが、
シリーズの1作目『脳を鍛える計算60日』には、簡単な足し算・引き算・掛け算のみで割り算は含まれていないのだ。
やっぱり高齢者に【割り算】は難しいって事みたい?
なぜ、母は②を買ってしまったんだ~!と残念でならないが、
これで、割り算が出来ないと分かったんだから、良しとするか。
表紙には「簡単な問題をすらすら解くことが脳に効果的です。」と書かれている。
それに、「毎日楽しむ大人のドリル」ですもの、どんどん出来るって心地良さを体験してコソってもんよね。
…それをいま一度体験してほしくて、母に電話してみた。
私「脳トレの本には、割り算は難しいから入ってないのが多いみたいなんだけど、その本はシリーズ2作目で難しいのよ~」と話すと…。
母「あらそうなの? そうよね~。だってコレ②だもんね~。
そりゃぁ①をやってないと②は出来ないわよね~。
うっかり間違えてレベルが難しいのを買っちゃったのね~」
「何だったら、私がネットで①を買っとこうか?」と言うと、
「本屋さんが近くにあるんだから、自分で行くわよ~!
今度はちゃんと中身を見て、割り算が無いのを確かめて買う事にするから大丈夫よ~!」
前向きな母でホッとした…。
計算力
レジでもたもたしているお年寄りをよく見かける。
財布からのお金の出し入れのもたもたもそうだが、
「いくら」と言われて、それがどの札とどれだけの小銭を出せばいいのかが分からない人も多いんだろうな~と思う。
数が判らなくなる…
まだ自分はしっかりしてると断言している母だが、
そう遠くない将来をあれこれと想像すると、怖くなる。