息子が祖母の為にと計画してくれた家族旅行。
ホテルでの豪華な食事を堪能して、大きいお風呂に入って…
近場ですけど、実に贅沢させてもらい、感謝感謝です。
が、母と一緒は大変だわ~
お風呂にて…
ホテルへついて、まずお風呂へ入ろう~と大浴場へ行くことにしました。
もちろん女湯へは私と母の2人。
チェックインして直ぐだったからか、大浴場はまだ誰もおらず、広~いお風呂がまるで貸し切り状態だ。
喜ぶ私に反して、母は少し浸かっただけで「もう出る」と言い出した。
私「えぇぇぇ? なんでなんで? 今入ったとこなのに…」
母「これ、温泉じゃないのよ!」
「えっ…温泉だよ?」
「こんな透明で、すべすべ(ヌルヌル)しないから温泉じゃない」
「透明だけど温泉だよ~。温泉の匂いがするし~。
それに入り口にちゃんと泉質が書いてあったから、温泉だよ。」
「だって、温泉じゃないって聞いたわよ?」
「誰に~?」
「だって聞いたんだもん!」
「勘違いだったんじゃない?」
「勘違いじゃないわよ!(怒)」
……などと、「温泉」「温泉じゃない」を言い合ってずっと平行線。
「あんたは何でも馬鹿正直に信じるんだから~! これ何か入れてるのよ~。
ホント、あなたは昔から私の言う事、全然聞かないんだから~!
もういいわよ! あなたが温泉と思うなら勝手に思ってなさい(怒)」
…いったい何故こうなる?
そして母は「出る出る」と言い張るので、母一人で出す訳にもいかず、早々に風呂を出た。
あ~残念。
(翌朝、母抜きでお風呂に入りました。)
深夜
5人部屋だったので、全員同室。
(母と兄が洋間のベッドで、私と夫と息子が和室の布団。)
食事も終わって、夜。
息子が持って行ってたカードゲームを、みんなでする事にしたが、ルールがわかりにくくて私と母は早々にリタイアして、母はそのまま寝てしまった。
ゲームも終わり、寝静まった夜中2時半…
眠りも浅かったせいか、母の声で起こされた。
母「あ~○○△△□□(何を言ってるか聞き取れない言葉)……兄ちゃん、兄ちゃん、兄ちゃんどこ?」と悲愴な声が聞こえてくる。
寝ぼけてるのかな? と思うが、声は続き、
横の兄が反応しないので、仕方なく私が母のベッド脇に行って声を掛けてみた…
私「どうしたの?」
母「兄ちゃんは?」
「横で寝てるよ。」
「どこに行ったの?」
「兄ちゃんは横で寝てるよ。」
「…だれかに触ってもらってる?」
??????(…理解不能)
「一人で寝てるよ。」
「どこで?」
「お母さんの横で…」
うん、寝ぼけてる…?
母に布団を掛けて寝させようとすると、
「トイレ行く」と言うので、部屋の入口近くにあるトイレに連れて行って、私は自分の布団に戻った。
しばらくして、トイレが終わったようでトイレのドアの開閉音が聞こえたが…
母が戻ってくる気配がしない。(歩いて5歩って距離)
もしかして部屋のドアを出て廊下に出る気か? と心配になって覗いてみると…
トイレのドアを出た所で反対側にあるコート掛けのクローゼットの扉を、ジーっと見つめて立ってるだけの母。
おっとヤベぇ~!!?
「ベッドはこっちだよ」と私がベッドまで連れて行くと、
「ここ? 私ここで寝てた?」と不安そうに聞く母を諭して、ベッドに入れて布団を着せて寝かせる事に成功した。
…私は自分の布団に戻るが、寝られない!
昼間はまだしっかりしてるが、夜中はこんなヤバいのか?
しばらくすると…また母が、今度は大きなうめき声を出した。
「うう~ううぅ~! あぁあ~! ○△□~!」もう訳わからん呻きだ!
側に言って「どうした?」と肩を叩いて声を掛けると…
腕で顔を隠して横にイヤイヤと振りながら「うぅ~う~」とわめき声を出してる。
(寝てる…コレは完全に寝てる!)と判断して、そのままにして戻った。
その声は長くは続かなかったが、私は完全にパッチリ。寝れなくなった。
途中、夫がトイレに行き、兄もトイレに…(二人とも膀胱が固い!)
そして夜が終わり、朝になった…
朝の母は、夜中の事は何も覚えておらず、「よく寝たわ~」と満足そうに言う。
(あれでよく寝たって感じるてるのが不思議だけど…)
あとで、夫と息子に聞くと、
夫も全然眠れず、母と私の行動も全て察知しながらも寝たふり…
(きっと兄も…?)
息子だけは、しっかりグッスリ深く眠ってたらしく、何も知らなかった。(若い~)
金閣寺にて
折角だからちょっと観光もって事で寄った金閣寺。
母の歩みは物凄く遅いので、私が腕を組んで母と一緒に歩いた。
金閣寺の拝観コースでは後半に金閣寺を見下ろせる丘へと階段を上る所がある。
後ろの観光客に悪いな~と思いつつも、母に合わせてゆっくりゆっくりと足を進めてると、
ちょうど後ろを歩かれてた年配のご婦人二人の会話が聞こえてきた。
ご婦人「この石の階段、段の幅が広くて同じ足ばかりで上に登る事になって疲れちゃうわね?」ってな話が聞こえた。
(んだんだ…私も同感よ~って心で思ってたら)
いきなり母が「じゃぁ、こんなとこ来なきゃいいのに!」と後ろにしっかり聞こえる声で言い放ち…
「ねぇ~?」って私にしっかり同意を求めてくる。
(ひょえ~やめて~何故に知らない人の会話に突っ込みを入れる? )
後ろのご婦人たちも驚いただろう…(謝りたいが、振り向く勇気はなかった…)
母に応える事は出来ず…聞いてないフリして、その場をやり過ごしひたすら階段を登った。
そして後ろのご婦人たちは無言に…。(本当に申し訳ない)
もう思った事は、口に出さずにはいられない病?
言って良いことと悪いことが判断できないのか?
ってこれは、認知症の症状なんだろうか?
母の性格(性分)なのだろうか?
でも、こんな母じゃなかったハズ…と思いたい。
もう【認知症です】って周知する看板をぶら下げて歩きたい!
…なんて思ってしまった。
難しい
後で母に旅行の感想を聞くと、
旅行自体は良かったと言うが、不満に思った事も少なからずあり、それを私にぶちまける(理不尽な思い込みと上から目線の意見の数々)
それらすべてに同意するのは難しく…反論して母を苛立たせてしまった。
しかし、いろんなサイトで認知症との付き合い方を見てると…
自尊心を傷つけないように、間違っていても否定をせず安心させる。
(不安と不信感が増し、ウツになっていく可能性がある)
とあった。なので…
- お風呂では、「温泉じゃないね~」と事実を曲げるべきだったのか?
- 金閣寺でも、失礼を承知で「そうだね~」と返事するべきだったのか?
- 理不尽な物言いの数々にも「ごもっともです」と同意すべきなのか?
難しすぎる…
大変ですよね
うちの母親も会うたびこっちが疲弊していきます。いちばん元気なのは母親だったりします
コメント有難うございます。
落ち込んで沈まれると辛いですから、元気なのが一番だと思います。