母には簡単すぎるかな~? と思って渡した【刺し子】キットだが、
どうやら、私の想像以上に母は出来なくなっていた。
兄からヘルプ
今朝、兄から「母には難しいみたいなんだ…、俺では説明するのも大変なので、ちょっと見に来てやってくれないか?」って、ラインが来た。
えっ? 難しい…? なんで? 簡単だろう? 教える事なんてないぞ?
と思いながら、母のマンションへ向かいました。
忘れるんだ…と絶句。
一度乗れるようになった自転車は、いつまでも乗り方を身体(脳)が覚えてる。と言うが…
裁縫好きで。服をやカバンなどを沢山作ってたし、和裁で浴衣もバンバン手縫いしてた母なので、
縫い物なんてお茶の子さいさい、身体に染み込んでると思っていたけれど…
今の母は、布の持ち方、針の持ち方、針の刺し方、手の添え方…
全部が無茶苦茶で、まるで触ったことのない様な初心者になってしまってました。
(縫い物は自転車とは違うのか?)
忘れるんだ~?! と母の状態に愕然としたわ。
てとりあしとり
てとりあしとりの丁寧な解説書のついているキットですが…
母には、字が少し小さくて見にくく、理解し難い所も多いみたいで、「分からな~い。」とさじを投げた感じ。
なので、
私が…てとりあしとり。
母の裁縫を見て育った私が、まさか母に裁縫を教えるとはね~
ゆっくり解説(実演)しながら母に教える。
私「布に印刷されてる青い線の所に、赤い糸を重ねるんだよ~」と説明してもピンとこない。
…実際、別布にちょっとだけ刺してみて、こうやるんだよと母に見せると…
母「あなた、コレ出来るの? 凄いわ~。作った事あるの?」
「んまぁ、やったことはあるよ。」
「凄いわね~あなた、お兄ちゃんは全然ダメなのよ~」と、
縫い物なんかしたことのない兄が必死に冊子を観て、自分でも試し縫いをして、解説した苦労を滅多切る!
母の針の刺す場所を、私が持ってる針(刺し棒替わり)で「ココ!ココ!」と指し示しながら
「(印刷)青い線の最後の所に針を刺して~、線の始まりにの所に針を出すようにするの。」
「線の終わりに針を入れて~、線の初めで針を出す~」
なかなか線の終わりと初めを認識できない母。
「ココ? ココで良い?」
…「あ、ソコじゃなくて ココだよココ!」(針で指し示す)
「線の終わりで針を入れて~、線の初めで針を出す~」
(言いながら、ずっと針の出し入れの場所を指し示す)
何針か刺して、「はい、そろそろ糸を引っ張ろうか~!」と促し、
「針を左手に持ち替えて、右手で既に刺してる所の糸と布をしっかり押さえて~、左手の針を引っ張る~
右手はしっかり押さえたままだよ~。」
…右手の指で針も一緒にしっかり押さえる母。
「針を押さえてたら、引き抜けないよ~。右手の指はココを押さえて~!」
…母の指を動かす。
「ココ(既に刺してる所の糸と布)をしっかり押さえて、針を引っ張って抜く~」
で、布を引っ張って、糸がたわまないように綺麗に整える(しごく)。
(しごく事だけはとても上手に出来る)
はぁぁぁ、何針か縫えた。 出来上がりを見て、満足そうな母。
「印刷の青い線が赤い糸に変ったでしょ~?」と言うと、
「ホント~そうね~、凄いわ~なんで~?」と言う母。
(なんで…って)
「お母さんが赤い糸で綺麗に縫えたからだよ~」と褒めたたえると凄く嬉しそうだった。
「んじゃ、次!」と次に進む気マンマンな母だが、また布の持ち方と針の持ち方が変になり、
「ここに入れる~?」と、針が出てる場所と同じ場所に針を入れようとしてる母。
「…ちょっと違うな~
(針の持ち直しをさせて、刺す場所を指し示し)
青い線の終わりの所に針を入れて~、線の初まりの所で針を出す~」
………以下、エンドレス リピート。
糸の端始末
糸の縫い初めと縫い終わりは、3目程を返し縫い(かぶせ縫い・すくい縫い)して、始末するって方法を母に教えたが…
無理っぽい!
何度説明しても、理解できてないっぽい。
(大きく別布に刺して教えたけど…)
私が横にいる時は、一緒にやって出来たけど、母一人では出来そうもないだろうな~。
いっそ、玉結びして、玉のボコボコがあっても、良しとするか~だよね。
刺す方向
順番で、最初の1線目は左端の終わりまで真っ直ぐ刺すと言ってても、交わる線が出てくる度に
「この線は? ココはまだやらないの?」
と他の線が気になって仕方がない母。
「まだまっすぐだよ~。今ココでしょ~。その線は後で刺すからね~」と説明書を見せて、母を納得させる。
端の角に到着して、縫い方向が変わった時、
…布を持ち替えずに、ぶきっちょに針を下方向に刺そうとする母。
「布を持ち替えたら、また横に進めるよ~」と、布を90度回転させて持ち替えさせた。
「あらホント~ 凄いわね~。」
……ん~。母の出来なさっぷりに、こちとらビックリよ!
付きっきり
1時間程して、そろそろお昼だからと終わりにした。
(↑表題写真、母が全て刺した。)
母が縫った作品を見て、「綺麗だわよね~? あなた教え方上手ね~。やっぱ経験者は違うわね~。お兄ちゃんも頑張って教えようとしてくれたんだけどダメなのよ~。またすぐ来るでしょ? あなたが居ないとダメだわ~、また教えてね~」
とすこぶる上機嫌な母。
はぁぁぁ~ ずっと付きっきり!
まさかこの【刺し子】がこんなに激ムズだとは思わなかった~!
だが、集中して頑張って刺し、縫い目を見て嬉しそうなので、
買ってよかったかな~? とは思う。
さぁ、完成までの道のりは遠そうだが…
母が縫い物を楽しめてるなら何より、なので私も協力はする。