老人ホームに入居している母(認知症)を、家に一時外出で連れて帰りました。
前回連れて帰った時(先月)は、楽しそうにしてたので今回も…と思ったのだけど…💦
スーパー
母を老人ホームから連れ出して、
買い物に行くのも久しぶりな楽しい経験だろう? とスーパーに寄った。
お昼ご飯に母が食べそうなお惣菜やデザートなどを買う為だけど、
兄は「母が気にしたモノは、全部買う!」ってスタンスで…
母が立ち止まって興味を示したモノは手当たり次第カゴの中へ!
(私もどさくさに…ちょこっと♪)
母は買い物を、楽しめたかしら?
自宅マンション
家に帰るとワンコが居る事に喜び、ワンコを抱っこして、なでなでして、嬉しそうな母。
(けど、まるで初めて見たかのような喜びよう…)
買ったお惣菜をズラ―ッと並べ、サラダを出し、お肉も焼いて…
昼食をテーブルに広げ「いただきます♪」をしたが…
なかなか食べてくれない母。
食べ物を手で掴んでも、なかなか自分の口には運ばず、もてあそぶ。
せめて水分だけは採らせなくては…と、
何なら飲むんだろう?といろんな飲み物を「飲んで飲んで」と勧めるが、
コップを持っても、傾けてその場にこぼそうとしたりするだけで、一向に飲んではくれない。
今の母の体重は30.8Kg。(老人ホームから届くアセスメント表より)
毎月少しづつ減ってて、ガリガリに痩せている母。
もっと食べて、体力付けてもらいたいけど…食べない。
結局オカズには手を出さず、甘いデザートだけを食べて…
「ハニャホレヒレハレ…ラリルレロレロ…もう帰る」
母の話す言葉はもう分からないが、帰りたい、ココに居たくない、イヤがってるって事だけは態度と仕草で分かる。
「帰る」ってどこへ…? 老人ホームへか?
老人ホームへは「夕方戻ります」と言って出て来たので、まだ戻るには早すぎる!
「お母さん、まだ帰らないよ、もうちょっとゆっくり家に居てようよ。
テレビ観る? 疲れた? お昼寝しようか? あ。トイレは? おトイレ行った方が良いんじゃない?」といろいろ言って、
テレビやベッドやトイレに誘導しようとするが、断固拒否。
ヨロヨロ玄関の方に歩き出し、どうしても家から出たい様子…(困)
(母を説得する事は出来ず…)
兄「もう無理だ…。とりあえず出てどっか行こう。何処か…」と言うので、
(真夏の炎天下)散歩や公園に行くのは危険だし、飲食店へ入るのも難しい。
仕方なく、急遽、私の家へ移動した。
私の家
けど玄関に上がるにも階段がある段差だらけの我が家。
こけたら危ないので、両側から母を支え、慎重に家の中へ。
まずは「そろそろトイレなんじゃない? トイレ行こうか?」とトイレに母を誘導する。
母もその気になったようで、トイレの便器に座ろうとするが、パンツ(紙パンツ)を脱がない。
私「パンツは脱いで座ろうね~」と、母の尊厳を守る為「上着で隠してるよ~」と言いながらパンツを下げると、母のパンツの中からは何故かハッピーターン(お菓子)が…ポロっと出て来たが、無事母を便器に座らせる事に成功した。
(母の尊厳を守る為、私は一旦トイレから退出)
少しして母に「終わった?」と聞くと「終わった」と言うので、ドアを開けると…
既に立ち上がってた母の股間から雫がポタポタ…。
あわててトイレットペーパーを引っ張り、母の股間をチョンチョンと拭く私。
それには平気そうにしてる母。
そして神パンツは手で押し下げ、外側のズボンだけを必死に持ち上げて履こうとする母。(紙パンツが嫌みたい…)
だけど…
「ズボンは後だよ、先にパンツをちゃんと履かないと…」と力尽くに母の手をどかせてズボンを降ろし、パンツを履かせ、ズボンを履かせた。
母の尊厳も羞恥心も、一体どうなってんだ~?
ゴメンよ~
私の家には何の興味も示さない様子の母。
やっとこさ母を椅子に座らせる事に成功して、お茶を少し飲ませ、アイスクリームを食べた。
でも食べ終わると、すぐ落ち着かなくなり…「帰る」と言い出した。
拒否る母
「仕方ない…もう老人ホームに戻ろう…」
と戻る事を決め、家を出ようとすると…母が💦
玄関の降りる段差が怖いようで、母が硬直。
「支えてるから大丈夫、こっちだよ、こっちだよ、足出して~」とどんなに説得しても、
柱にしがみ付いて、全く動こうとしない。
抱っこしようと腰に手をまわし持ち上げようとしても、30Kgしかないハズなのに母が踏ん張ってるせいで滅茶苦茶重い。
そんな母を兄と私とで無理くり抱え、危なくこけそうにもなりながら悪戦苦闘して、やっと玄関の外に連れ出した。(怖かった~)
そして次は車に乗るのも拒否。
開けた車のドアにしがみ付いて、中に入るのを断固拒否!
「帰るから乗ろうね~」と説得する言葉は虚しく…母には通じない。
「一緒に乗ろう。みんな乗って行くんだよ~」と言って、先に入って中から母を誘導しようとすると、外からドアを閉めようとする母。
「お母さんが乗らなきゃ帰れないよ~」と言っても、「イヤイヤ」のイヤづくし。
足を持ち上げたり、手を引っ張ったり、抱っこしようとしたり、
どう乗せようと頑張っても、必死に抵抗する母を乗せる事は出来なくて、
私と兄の2人では無理だと思い、家の中に戻って私の夫に「手を貸して…」と助けを求めた。
私達の必死の説得(誘導)には抵抗してた母が、なぜか夫には割と素直…?
「乗って下さいね~」と夫が後ろからバックハグで身体を持ち上げると母はあまり抵抗せず、無事母を車に乗せる事に成功した。
(なぜだろう? 抵抗は無駄と分かってるのだろうか?)
泣く母
老人ホームに向かってる車の中で、
母が小声で何やら訳の分からない事をブツブツ呟きながら、シクシク泣き始め…
横に座ってる兄が「ゴメンよ~嫌な思いさせちゃったね~泣かないで~」と謝り続けてた。
ホームへ着くと、入口で出会った事務職員さんに「おかえりなさい」と言われ、またポロポロと泣く母。
「どうしたの~何で泣いてるの~?」と聞く職員さんに
「分からない~」と泣き笑いで答える母。
「お出かけよっぽど楽しかったのね~また行けますよ~」って優しく言いながら通り過ぎる職員さん。
エレベーターに乗って母のフロアへ到着すると…
「おかえりなさ~い」と食堂に居た入居者の皆さんが迎えてくれました。
母がまたウルウルと泣きだし「あらあらどうしたんですか~」と近寄って来てくれる介護さんを見て母は嬉しそう。
介護さんが涙目な母を笑かそうと、変顔をして話しかけてくれる。
母が笑う…座らせて、お茶を飲ませる。(プロだ~!)
皆さん優しくて、母はもうホームの方が安心できるみたい。
兄が別の介護さんにコソッと「実はこうこうこうで泣きました。」と簡単に報告して、
母を介護さんに任せ、フェードアウトのごとくコソッと私達は帰って来た。
もう外出は…
面会に行く度に「さぁ行こう!」「帰りたい」と言ってる母だけど…
母はどこへ行きたいのか、どこへ帰りたいのか…?
(幼い頃に住んでた母の田舎はもう無い…)
自宅マンションなのに「もう嫌」「帰る」と言われると…(悲)
そして、母にとっての階段を下りるは、私達には想像もつかない恐怖の世界だったのかもしれない。
(老人ホームには無いもんな~)
歩かせるのも、車に乗せるのも、ご飯食べるのも、水分飲ませるのも、トイレに行くのも…
外出は、不安で怖くて嫌な事だらけ…?
可哀想な事したかもな~
今後は母が「外出したい」という強い態度を示さない限りは、外出は辞めよう…と兄と話した。
↓最初の外出(約3か月前)。